個別指導ではダメな理由
せっかく塾に通うのなら、第一志望校に合格すべきだし、定期テストの点数も上げるべきだし、模試の点数も取れるようになるべきです。
その全てを成し遂げようと考えた時に、従来の個別指導塾のように英語と数学の2科目だけを週2回通って何とかできるのかと聞かれれば、それは不可能です。
受験や定期テストは5科目での総合点が必要で、通ってる科目だけの成績が高ければ良いという甘いものではありません。
厳しいことを言えば、学校で毎日のように教わっているはずが、全く理解できていない生徒が週2回の通塾で成績が伸びるわけがない。本気で成績アップを実現させる学習指導というのは、そもそも学生アルバイトが授業開始の5分前にひょっと来てひょっとできる仕事ではありません。
彼らにはもともと荷が重い仕事なのです。
そして費用対効果がかなり悪い。
1:3の個別指導では
個別指導は1:2なら80分、1:3なら90分の授業時間が設定されていることが多い。
1:3の場合、3人を一人の講師が担当する為、1人の生徒を指導できる時間は30分ということになる。
つまり残りの60分は演習時間となる。
例えば、タイプも学力も違う、Aさん、Bさん、Cさんを同時に指導する場合を考えてみましょう。
お調子者のAさん
指導してもらえる時間30分
- まずは雑談【5分】
- 立ち歩いて雑談【10分】
- 宿題の解説【10分】
- 確認テスト【5分】
- 新単元解説【10分】
- 問題演習【50分】
しっかり者のBさん
指導してもらえる時間30分
- 宿題の解説【10分】
- 確認テスト【5分】
- 新単元解説【10分】
- 問題演習【60分】
- 質疑応答【5分】
不真面目なCさん
指導してもらえる時間30分
- 前回の宿題【20分】
- 宿題の解説【10分】
- 確認テスト【5分】
- 新単元解説【10分】
- 問題演習【40分】
- 質疑応答【5分】
おわかりだろうか?
これがリアルな個別指導の現場です。これでもかなり良い方ですが、新しいことを学べる時間はわずか10分です。
なので生徒によっては全く進まない。だから成績が伸びない!または伸びにくい。
残された手は「宿題でたくさん勉強してきてね」「塾にたくさん自習しに来てね」と家庭学習や自習を期待すること。
するわけがない、来るわけがない。そもそも家庭学習などできないから個別指導の塾に来たのではないか。
そして、多くの塾がどんなアルバイトでも一定の質を維持する為にとった政策が、「簡単なテキストや問題を使って指導する」です。
簡単なので子供たちは「勉強ができる感」を味わえるから「楽しい」気持ちにはなれる。
しかし、点数はとれない。成績も上がらない。志望校にも受からない。
想像してみてください。成績が良い友達や知人の通っている塾はどんなところですか?
なぜかというと、人生の中であらゆる試験は、個人に合わせて作られてはいない。
決まった範囲、決まった難易度、決まった時間内、決まった会場で、決まった点数をとらなければならない。
本気で受かりたいと思うのならば、「自分がその決まりに合わせていく」しかないのだ。
自分が努力を怠ったせいで、決まった点数をとれなそうだからといって、それに合わせて問題が易しくなることはない。
もちろん、時間を延ばしてくれることも、低い点数でOKにもしてくれない。
横で誰かがヒントを出してくれることも決して無い。「できない人は自業自得、さようなら」と切り捨てられ、不合格になるだけだ。
行きたい高校ではなく、行けるレベルの高校に進学することになるだろう。
なのに大手学習塾が受験生に提案する1授業3500円の期別講習(授業数80~100回)なんて、いくらなんでも高すぎる。
それでも良ければ、優しい先生がいて、全てを君に合わせてくれる塾で、高い月謝を払い続けて学べば良い。